ベンジャミン・バトン 数奇な人生

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WEB SITE　　　　WebSite(E) ・・・・・ スタッフ・キャスト 監督：デヴィッド・フィンチャー 製作 キャスリーン・ケネディ フランク・マーシャル セアン・チャフィン 原作：F・スコット・フィッツジェラルド 脚本：エリック・ロス 撮影：クラウディオ・ミランダ 編集 カーク・バクスター アンガス・ウォール 美術・装置 ドナルド・グラハム・バート ヴィクター・J・ゾルフォ 衣裳デザイン：ジャクリーン・ウェスト 音楽：アレクサンドル・デプラ 出演 ブラッド・ピット：ベンジャミン・バトン ケイト・ブランシェット：デイジー ジュリア・オーモンド：キャロライン タラジ・P・ヘンソン：クィーニー ティルダ・スウィントン：エリザベス・アボット ジャレッド・ハリス：マイク船長 ジェイソン・フレミング：トーマス・バトン フォーン・A・チェンバーズ：ドロシー・ベイカー マハーシャラルハズバズ・アリ：ティジー イライアス・コティーズ：ガトー エル・ファニング：デイジー(6歳) デヴィッド・ジェンセン：医師 ジョーアンナ・セイラー：キャロライン・バトン テッド・マンソン：ドウス アメリカ映画 配給 ワーナー・ブラザーズ(世界) パラマウント映画(北米) 2008年製作　166分 公開 北米：2008年12月25日 日本：2009年2月7日 製作費 $150,000,000 北米興行収入 $116,473,266 世界 $155,948,097 ・・・・・ アカデミー賞 第81回アカデミー賞 ・受賞 ・ノミネート 作品・監督・主演男優(ブラッド・ピット) 助演女優(タラジ・P・ヘンソン)・脚色・編集 撮影・美術・録音・衣装デザイン・メイクアップ 視覚効果・作曲賞 ・・・・・ ストーリー 2005年8月、ニューオリンズ。 ハリケーン・カトリーナが接近する中、病院で死の床につく 老女デイジー（ケイト・ブランシェット）は、娘のキャロライン （ジュリア・オーモンド）に語り始める。 __________ 第一次大戦の頃、ガトー(イライアス・コティーズ)という盲目の 時計職人が、ニューオリンズ駅の大時計の作製を依頼される。 やがてガトーの息子は出征し戦死してしまうが、悲しみを乗り越 えガトーは時計を完成させ除幕式の日を迎える。 しかし、動き出した時計の針は反対方向に回り始め、人々は 驚くが、ガトーは時が過去に戻れば、息子や戦争で死んだ人々 は取り戻せると説明する。 __________ 謎めいた話を終えたデイジーは、キャロラインに一冊の日記帳 を見せる。  デイジーは、それを何度も読もうとしたのだが果たせず、 自らの死を間近に、キャロラインにそれを読んでもらうこと にする。 その日記は、ベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)という人物 が書いたもので多くの写真と絵葉書なども含まれていた。 キャロラインは、母親の要望に答えそれを読み始める。 __________ 1918年11月11日、ニューオリンズの町は、第一次大戦の終結 を祝い、歓喜の人々でにぎわっていた。 ボタン工場の経営者、トーマス・バトン(ジェイソン・フレミング)に 男の子が生まれるが、妻キャロライン(ジョーアンナ・セイラー)は トーマスに子供を託し息を引き取る。 トーマスは、妻との約束にも関わらず、その子供の醜い姿を見 て驚き、老人養護施設のポーチに置き去りにしてしまう。 施設の責任者クィーニー(タラジ・P・ヘンソン)と恋人のティジー (マハーシャラルハズバズ・アリ)はその子を見つける。  アリはその子の容姿に驚くが、クィーニーは子供の生めない 身であり、神から授かった子だとして育てる決心をする。 医師の診断を受けた子供の体は、なんと80歳の老人だったの だが、クィーニーはベンジャミンという名前を付けて溺愛する。 死期が近いと思われたベンジャミンは成長し、年をとるごとに 若返っていく。  1930年、見かけは70歳代のベンジャミンは、施設の祖母に会い に来たデイジー(エル・ファニング)という少女に出会い、初めて 子供と遊ぶことを体験する。 数年後、障害のあったベンジャミンは回復し、ニューオリンズ 港のタグボートの船長マイク船長(ジャレッド・ハリス)の手伝い を始める。  マイク船長は、ベンジャミンを気晴らしに売春宿に連れて行くが、 彼はそこに居合わせたトーマス・バトンに声をかけられる。 トーマスは、ベンジャミンに自分が父親であることは打ち明けず、 彼と酒を酌み交わし再会を約束する。  やがて、ベンジャミンは正式にマイク船長の船の乗組員になる ことを決め、クィーニーや必ず手紙を出すことを約束したデイジー に別れを告げる。 ロシアに滞在したベンジャミンは、イギリス政府のスパイの妻 エリザベス・アボット（ティルダ・スウィントン）に出会い、彼女と 恋に落ちてしまう。  1941年12月7日、日本軍が真珠湾を攻撃し、同時にエリザベス は”お会いできてうれしかった”というメモをベンジヤミンに残し 姿を消してしまう。 その後、マイク船長は、船がアメリカ海軍の支配下になったこと を乗り組み員に伝え、彼らは第二次大戦に巻き込まれていく。 大西洋でＵボートに遭遇したマイク船長は、勇敢に攻撃を仕掛 け、Ｕボートに向かって突撃するが、マイク船長は銃撃され死亡 する。 翌朝、以前マイク船長が奇跡の鳥だと言っていたハチドリが、 救出されたベンジャミンを見つめるように、海上から現れ大空 に飛び立っていく。 ベンジャミンは、育った施設の老人達とは違った人の死を見 て思いにふける。 1945年、ベンジャミンはニューオリンズに戻り、さらに若返った 彼を見たクィーニーは驚く。 ベンジャミンは、バレエ・ダンサーとして成功していたデイジー と再会するが、彼女の愛を素直に受け入れられず、二人は そのまま別れてしまう。  そしてベンジャミンは、足の感染症で死の近いトーマス・バトン に再会する。 トーマスは、自分がベンジャミンの父親だということを告白し、 会社と財産全てを彼に譲り渡すことを告げる。 動揺したベンジャミンは返事を拒むが、トーマスの死の直前 にそれを受け入れる。 ベンジャミンは、ニューヨークの舞台で喝采を浴びるデイジー に会いにいくが、彼女に恋人がいるのを知り自分達の気持ち が離れ離れになっていくことを悟る。 しかし二人は、別々の生活をしながらも、お互いに片時も 相手を忘れずにいた。 そんな時、デイジーがパリで交通事故に遭い、ベンジャミン は彼女の元に急行する。 ベンジャミンとの再会を喜ぶデイジーだったが、完璧に若返 ったベンジャミンを見て驚く。 惨めな姿の自分を恥じたデイジーは、自分の人生から消え てくれとまで言い放ち、彼を追い返してしまう。 時は流れ、バレエ・ダンサーを諦めていたデイジーは43歳 になりニューオリンズに戻り、49歳の若々しいベンジャミン に再会する。 二人のわだかまりは消え、再び恋に落ち、ベンジャミンは トーマスから譲り受けた財産を売り払い、デイジーとの新し い生活を始める。 やがて育ての母クィーニーが亡くなり、デイジーはバレエ 教室を始める。 ある日ベンジャミンは、かつてロシアで愛し合ったイギリス人 エリザベス・アボットが、若い頃果たせなかったドーバー海峡 を68歳で泳ぎきったニュースを見て顔をほころばせる。 数年が経ち、ベンジャミンとデイジーの間に子供が生まれる ことになるが、ベンジャミンはその子が自分と同じような生ま れ方をしないかと手放しでは喜べない。 そして健康な女の子が生まれ、ベンジャミンの実母の名を 取ってキャロラインと名づける。 キャロラインの成長と共に、ベンジャミンは自分が若返り子供 となり、デイジーが二人の子供を育てなければならないことと、 自分がキャロラインの父親の役目を果たせないことの辛さで 苦悩する。 そしてベンジャミンは、デイジーとキャロラインに財産を残し 放浪の旅に出る。 __________ 2005年の病室。 キャロラインは、デイジーが自分にこの日記を読ませて、 ベンジャミンが父親であることを教えようとしたことを知る。 キャロラインはショックを受け病室を離れるが、気を取り戻し、 ベンジャミンが旅先から彼女の誕生日の度に送ってきた何枚 もの絵葉書を読み、彼の愛情の深さを知る。 __________ 1980年、ベンジャミンは、デイジーのバレエ教室に現れる。 20代半ばまで若返ったベンジャミンを見て驚くデイジーの傍ら には、12歳になったキャロラインと再婚相手がいた。 簡単な挨拶程度で別れた二人だが、デイジーはベンジャミンの ホテルを訪ね、自分達の年の差がかなり離れたことを実感しな がらも愛を確かめ合う。 そしてベンジャミンは再び旅立ち時が過ぎ、ある日デイジーは ベンジャミンの育った施設に呼ばれる。 デイジーは、思春期を迎えた頃まで若返り、痴呆症になり昔の 記憶を失ってしまった少年ベンジャミンに再会する。 デイジーはベンジャミンに優しく語りかけ、そして毎日彼の世話 をしに施設に通う。 やがてベンジャミンが5歳になった頃、デイジーも施設に入り 彼と共に生活を始める。 2002年、 ガトー氏の古い時計は駅から撤去され、2003年の春、 幼児になったベンジャミン(84歳)は、デイジーの腕の中で息を 引き取る。 デイジーは、ベンジャミンが息を引き取る前に、彼の目を見て 自分のことを覚えていたことを確信していた。 __________ 2005の病室。 ハリケーンが近づき、電力のシステムが落ち、キャロラインが 部屋を離れた間にデイジーは他界する。 その時、デイジーがベンジャミンに再開したいという願いと共に 窓の外にハチドリが現れる。 ニューオリンズ市内にハリケーンの被害が広がり、非常警戒 のサイレンがなる中、ガトー氏の大時計が格納されている倉庫 も浸水を始める。 しかし、その時計は今でも動作し時を逆に刻んでいた。 ・・・・・ 解説 1921年に発表された、 F・スコット・フィッツジェラルドの 同名短編小説”The Curious Case of Benjamin Button”の 映画化。 80歳代の体で生まれ、時と共に 若返っていく男性と彼を愛した女性 の姿を、1918年の第一次大戦終結 から、2005年のハリケーン・カトリーナ の襲来するニューオリンズを舞台に 描いたヒューマン・ドラマの超大作。 第81回アカデミー賞では、作品賞 をはじめ、最多の13部門にノミネート されている。 特撮や特殊メイクも話題になり、 派手さはないが、その製作費は 1億5000万ドルという膨大な額で、 アカデミー賞候補にはなっている が、興行収入は作品の評価ほど 伸びていないことも事実だ。 普通の人々とは違う運命を背負 った主人公ベンジャミンは、時の 流れと共に生まれながらのハンデ を克服していき、さまざまな人々 や世界を見ながら成長するが、 同じ人間として、時の流れを止め ることはできず、逆らうこともでき ないという、自らの人生をも考えさ せられる作品。 主人公以外の人々を含め、登場 人物の表情の豊かさや、指先など までを丹念に描写するところなど、 デヴィッド・フィンチャーの人間の 命や一生の重みを見事に表現した 演出は素晴らしい。 エリック・ロスの脚色は、どうしても 「フォレスト・ガンプ」を思い起こさせ るような雰囲気で展開するが、盛り 上がりを意識的に抑えているよう にも思えるところが、コメディタッチ の「フォレスト・ガンプ」とは違ってい て興味深い。 1910年代から21世紀までの各時代 を見事に映し出したセットや美しい 映像、また衣装の素晴らしさも見所だ。 若返ってしまったブラッド・ピットに ややがっかりしてしまうほど、見事 な特殊メイクと特撮を駆使し、熱演 する年老いたベンジャミンの演技 は見応えがある。 少女から80歳過ぎの老女までを演 ずるケイト・ブランシェットは、同じ 役だが実質的には二役演じている と言っていいほど、重厚で存在感あ る演技を見せてくれる。 バレエを習い始める10代のデイジー を演ずる、彼女の輝くような美しさが 非常に印象に残る。 母の死を前に、自らの出生の秘密 を知るジュリア・オーモンド、ベンジャミン の育ての母タラジ・P・ヘンソン、ロシアで ベンジャミンと愛し合うティルダ・スウィントン、 ベンジャミンに人生の楽しみ方を教える 豪快な船長ジャレッド・ハリス、ベンジャミン を捨てた実の父ジェイソン・フレミング、 クィーニーの夫マハーシャラルハズバズ・アリ などが共演している。 ・・・・・ 予告編

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