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中川昭一氏の酒癖はかねてから永田町では広く知られていた。麻生首相も組閣にあたって、その点を注意するようあえて本人に厳しく言い渡していたという。

とにかく、昼間から酒臭いことがあるといわれるほどなのだから、酒の上の失敗を起こさなければいいがと思っていたのだが、やはりやってしまった。ご本人は風邪薬の大量投与による体調不良で酒はほとんど飲んでいないと釈明したが、G7閉幕後の記者会見の模様を見れば、「酔態」そのものであった。

これが世界中に配信され、「サケ・プロブレム」(酒問題)として一斉に揶揄された。確固たる国家観を持つ保守派政治家のホープと目されていたのだが、好きな酒で墓穴を掘った。

この一件では、あれこれの思いが一気にわいてきた。

ひとつは日本のメディアの基本姿勢だ。18日付の主要各紙は、この問題で中川氏が辞任したことを1面トップで伝えた。白抜きの大見出しが躍った。

この結果、ヒラリー・クリントン米国務長官と麻生首相らとの会談は、脇に追いやられた。オバマ新政権のもと、日米関係の今後を占う重要な会談だったはずなのだが、財務相辞任という「内向き」のニュースが当然のように先行した。

麻生政権の命運に直結する可能性がある、だからトップニュース、という受け止め方は分からないでもない。政局ウオッチを続けている当方としても、中川氏の辞任が今後の政局に及ぼす影響をまず考えた。

*中川氏辞任の政局への影響は一過性



そのことを最初に指摘しておくと、今回の一件が支持率激減の麻生首相にとって政権の弱体化を印象付ける大きな痛手であることは確かだとしても、おそらくは一過性のものに終わるだろう。

大臣の辞任は、金銭や女性にまつわるスキャンダル、失言などが引き金になるが、財務相の酒癖で政権がおかしくなるというのではいかんともしがたい。この手の話は一刻も早く忘れたいはずだ。

だが、どう考えても、財務相が醜態をさらして辞任したことよりも、日米同盟の今後のほうが、まったく次元は違うが、はるかにニュース価値が高いと確信する。この国の行く末を考える上でも、「永田町内」の人事よりはるかに重要であったはずだ。

中川氏の後任は、与謝野経済財政担当相が兼務することになった。与謝野氏は財政、経済、金融の3部門を統括する。「財金分離」などが言われてきた流れからすると、全く逆行した動きとなるが、これによって、麻生政権の経済金融危機対応が一変するわけではない。むしろ、100年に1度の経済危機には、政策遂行がスムーズに進むというメリットも出てくるかもしれない。

 

16日夜、麻生首相は中川氏の釈明を聞いて慰留した。17日昼、中川氏は「来年度予算成立後に辞任」を表明、野党側が「辞める財務相を相手に審議はできない」と非難し、17日夜になって辞表提出...。こうした経緯をことさら取り上げて、麻生首相の対応の遅れを批判する声も出た。

 

それは結果からみれば、まさにその通りなのだが、中川氏とすれば、こういう手順を踏んだことで、「国会対応に迷惑をかけた」という辞任理由が出てくる。麻生首相が電光石火、更迭していたほうがよかったのかどうかは即断できない。そこが政治の世界の機微というものである。

 

政治記者たちは、そうした事情を百も承知の上で、すべてが片付いてから、ここぞとばかりに非難記事を書く。読者はこれを読んで、溜飲を下げる。そこに政治報道の「薄さ」、あるいは「ポピュリズム」が透けて見える。

 

中川氏の辞任騒動は政治メディアの在り方を考える上で、恰好のケーススタディーとなったといえるかもしれない。

*思い出される父親の中川一郎氏

筆者の世代の政治記者は父親の中川一郎氏を思い浮かべる。いずれも一見、豪放な性格に見えて、実は極めて繊細であった。親子というのは、こうも似るものか。別にかばうわけではないが、G7という大舞台で緊張した中川氏の心境が分かるような気もする。

そこから、中川一郎氏の死去(1983年1月9日)の際の一件が思いだされる。札幌のホテルで遺体が見つかり、死因は心筋梗塞とされた。2日後の夜、最終版の締め切り間際になって、自民党の大物議員(すでに故人)から政治部に電話が入った。

「中川は自殺だ。さっき少人数の会合で、酒のためか、ついしゃべってしまった。帰宅してから考えてみたら、メンバーにテレビ関係者がいた。抜かれたら申し訳ないから好きな御紙に伝えておく」

そういった内容だった。政治部は残っている部員も少なかったが、それっと色めき立って一斉に裏取りの電話をかけまくった。真夜中だったが、当時の北海道警本部長に電話を入れたことを思い出す。本部長は意外にもあっさりと事実を認め、状況をしゃべってくれた。

「中川氏は自殺だった」というスクープになった。本部長はメディアから当たりがあったら認めてしまうということを決めていたのかもしれない。

これも発端は「酒席」ならではのできごとだった。今回のこの記事はやや脈絡に欠けていて申し訳ない次第だが、この欄は論文ではなくコラムであり、お許し願いたい。そこから「政治家と酒」「取材と酒」に思いが飛んだ。

私事で恐縮だが、根っからの下戸である。学生時代にはずいぶん修行したのだが、そのたびにのたうちまわる思いを重ねた。アルコール分解酵素がないのであろう。酒は全く受け付けない体質だ。

若い頃、社会部時代は警視庁なども経験したから、「酒が飲めない」では話にならない。夜回りの相手は、本来は新聞記者との接触を禁じられている捜査官である。家に上げてくれて、まして酒まで出されたら飲まないわけにいかない。

だから無理をしてきたのだが、政治部に移ってからは「オレの酒が飲めないのか」と息巻くような相手はいなくなった。政治家の中にも、飲めない人はいる。高名な政治評論家から「酒が飲めなくてよく政治記者が勤まったな」とからかわれたこともあったが、夜の会合のあと、帰宅してから仕事ができるし、飲めないなりのメリットはある。

各社の担当記者と要人を囲んで懇談をしていても、酒が好きな記者は酔っぱらってしまって、肝心な話の中身を覚えていない。こっそり録音していたりして見つかったら、除外されてしまう。だから終了後、筆者は重宝がられ、各社の記者に相手がしゃべったことをまとめて伝える役目も演じた。

*宮沢氏と河本氏の酒にまつわるエピソード

これまた話が飛ぶが、政治家と酒で思い出すのは、やはり宮沢喜一氏だ。酒乱癖は知る人ぞ知るところだが、何回か、そういう場面に遭遇した。ある一線を超えると目が座ってくる。素面の筆者だけはその変化を見逃さない。

宮沢氏は酒席でも、どこまでしゃべるか、きっちりと計算して臨む。今夜はここまで踏み込んだなと思いながら話を聞いていくのだが、危険ゾーンに入って、うっかり「先ほどの話は...」とさらに突っ込もうとする記者がいると、すべてがひっくり返ってしまう。「いつ、私がそんなことを言いましたか」とからんでくるのである。

その結果、せっかく一定の線まで踏み込んだ話が、結果的に全部否定されてしまうことになる。宮沢氏としては、ぎりぎりのところまで話したのに、そこが分からないのか、という心境になってしまうのだろう。

もう一人、河本敏夫氏を忘れることはできない。斗酒なお辞さずの酒豪だった。料亭の仲居を階段から蹴落としたり、二階の窓から用を足したり、といった逸話がいくつも伝わっていた。ある夜、銀座でタクシーの運転手とトラブルになり相手を殴ってしまった。「青年代議士、夜の酔虎伝」と社会面トップに大きな記事が載った。

河本氏はその運転手にすまないことをしたと、以来、ぷっつりと酒を断った。われわれとの懇談もほうじ茶である。筆者もほうじ茶で付き合ったが、酒が飲めないのは病気としか考えられなかったらしい。帰り際、いつも「病気、早く治せよ」と声をかけられたものだ。

政治家は飲むのなら徹底して飲めなくてはならない。後援会の会合でお流れちょうだいをやっていて、途中でやめるわけにはいかない。だから、酒の弱い人は、ハナから飲めないことにしている例もある。

終わりに、よけいなことをひとつ。筆者も演歌世代だが、一世を風靡した三波春夫の歌謡浪曲に「元禄花の兄弟・赤垣源蔵」(北村桃児作詞)というのがある。忠臣蔵の一場面だ。親代わりの兄が赤垣に叱ることばから始まる。

「酒は呑んでも 呑まれちゃならぬ 武士のこころを忘れるな」中川昭一氏にこの言葉を送りたいものだ。

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