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長期出張もいよいよ最終日!今日は久しぶりにピキっと晴れて、朝のホテルの前の温度計はマイナス1度。 最後にふさわしく気持ちいいです。

9時半にマーケット会場(もう閑散)に行き、溜まった資料の山を日本に郵送する手続きをして(6キロにもなってしまったので持って帰るのがつらいのです)、1本目は「パノラマ」部門のドイツ映画。んー、かなりイマイチ。

2本目も「パノラマ」部門で、アメリカ映画。これも全くダメ。

でも、こういう時にこそ映画の神様が微笑むのですね。3本目に見た「フォーラム」部門のメキシコとスペインの合作映画の『The mermaid and the diver』が素晴らしかった!ニカラグアの漁村地帯の日常を淡々と撮ったドキュメンタリー的(という言葉には僕なりに解説をしたいですが、それはまたいずれ)映像が、おとぎ話のような物語を語るように編集されているもので、方法論としてはなかなか大胆です。

製作に3年を費やしているとのことで、そこに小川紳介的アプローチが用いられていることは確実。一朝一夕で撮れる映像ではない。上映後のQ&Aで聞きたいことは山のようにあったのですが、とりあえずは「これは16mmで撮って35mmにブローアップしたのですよね?」ということだけ確認したら、やはりその通り。フィルムで撮るのか、それともデジタルで撮るのか。これは単なる手段の違いに留まらない、深い考察の余地を残します。とりあえず、この作品とその方法論についてはじっくり考えてみたいので、また日を改めて書きたいなと思っています。久しぶりに映画的快感に身をゆだねることの出来た作品でした(いや、フィルムだから良いというのではないです。念のため)。

4本目も「フォーラム」のオランダ(かな?)の作品で、これはヒッチコックの映像をサンプリングしながら、冷戦時代の米ソ関係のニュース映像を織り込んだ実験的な作品。なかなか見ごたえあり。

5本目も「フォーラム」の韓国映画で、思うところは色々とあるけれども、まあまずまず。

そして、最後に、「パノラマ」のブラジル映画。これがもう全くどうしようもなく、苦笑しつつもこの出張最後の鑑賞作品でありました。午前1時にTIFFのスタッフと合流し、軽く打ち上げ飲み。

ベルリンの総括としては、作品論は別にするとしても、やはりこれだけ多くの作品を上映しつつ、観客がしっかり全て入るという充実振りに改めて感嘆します。今年は会場も増えて、今日聞いたところによると、おとといの水曜日の時点で既に去年の観客動員数を越えたそうです。これは本当にすごい。カンヌやベネチアがリゾート地で開催されるのに対し、ベルリンは都市で開催されるという点で東京も参考にする点が多いと言われるのですが、本当に色々と考えさせられます。

まあ、ともかくも、1月20日から2月13日まで続いた長期出張もこれで終わり。体調を崩すこともなく(2日だけゲーリーだったけど)、充実した春期集中キャンプを送ることが出来ました。なんとかブログも毎日更新することが出来て、お付き合い下さったみなさま、どうもありがとうございました!

明日は6時起床で(おー、3時間後だ)、ベルリン発パリ乗換えで日曜の朝に成田到着です。

では、次はまた東京で。

おつかれさまでした !

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